FreeHand MX を使ってみようとお考えの方へ
【 FreeHandで行こう!】その64 <FreeHand MX を使ってみようとお考えの方へ>
Macromedia FreeHand MX は、2003年にリリースされました。 もう12年も前の話になります。
FreeHand に搭載されていた進歩的な機能の数々は、ADOBE が会社ごと買収し特許などを手中に収めたため、その後の Illustrator に順次移植されて行くこととなりました。
CS2 から最新の CC に至る Illustrator に搭載されて来た新機能のほとんどは FreeHand 由来のもので、この12年間の Illustrator の進化は、FreeHand に近づくための歴史だったと言っても過言ではないでしょう。
逆に言えば、最新の CC を契約しなくとも、12年前の FreeHand で最新の Illustrator と同様の使い方が出来てしまうって事なんですよ。 そんなバカな事は有り得ないと思われるかもしれませんけどね。(^^)
確かに 12年の歳月は、コンピュータ関連の進化の速度を考えると、とんでもない格差が生じてしかるべきです。
実際、パソコンの搭載メモリやハードディスクの容量、CPUの処理速度を見ただけでも一目瞭然ですよね。
当時の FreeHand の動作環境は、メモリ1Gも有れば充分でしたが、逆に、新しい OS上でふんだんにメモリを与えられても、使いきる事を想定していないが為にメモリ不足を起こしてしまう程なんです。(まぁ、よほど巨大なデータでない限りは、そのようなことは起こりませんけれども)
そんな所に時代を感じてしまう事が有ったとしても、アプリそのものに旧さを感じる事は有りませんから。
突然の開発終了で、未完成な部分、バグが混じったままの部分も有りますが、それでも、最新の Illustrator CC と比較しても なんら見劣りする事無く、それどころか まだまだアドバンテージを保っている部分も多くあるわけです。詳しくは FreeHand VS Illustrator で解説していますのでご確認下さい。
動作速度に関しても、ほとんどの操作で、FreeHand の方が軽く、サクサク動くはずです。
そんな FreeHand に興味を感じて、使ってみようとお考えの方も多いようです。更新の甚だ少ない当ブログにも、FreeHand 関連の検索で来られる方が後を絶ちません。
ただ、残念な事に、ADOBE の FreeHand 公式ページは、今年に入ってから、一部サポートページを残して既に閉鎖されてしまっており、体験版のダウンロードも出来なくなっています。(以前は、販社の社会的責任から、最終版の提供を継続しますと有りましたが、その記述も削除されました。)
海外の FreeHand フォーラムでは、今でも体験版のダウンロードが出来ますが、日本語版は有りません。
どうしても試してみたいとお考えの方は、こちらに日本語体験版の用意が有りますのでご利用下さい。
MAC版は、SnowLeopard(10.6.8)以前の OS と、Rosetta のインストールが必要です。
また、SnowLeopard に限り、Freehand Registration file の設置が必要です。詳しくは、こちらをご覧下さい。なお、そちらで説明している ADOBE の英語サイトのファイルも削除される可能性がありますので、上記体験版と同じ場所に用意しています。 FreeHand MXa Registration.zip を解凍してご利用下さい。
WIN版は、Windows 8.1 でも動作可能です。(追記:Windows 10 でも動作します)
但し、セキュリティアップデートで一旦動作しなくなりますが、XP互換モードに設定しなおせば動作します。「制作者不明のアプリケーション」という扱いになるようです。
ADOBE の アクチベーションサーバー不良の影響を受けますが、CS2 同様、シリアルナンバーが公開されていますので、継続利用も可能です。
■そんなバカな事は有り得ない?? ←有り得るんです !!
上段に、最新の Illustrator CC と同様の使い方が出来ると書きました。詳しくは FreeHand VS Illustrator をご覧頂ければ私の言いたい事をご理解頂けると思いますが、大変な長文ブログですので、こちらで少しまとめてみましょう。
そんなバカな…って言うほどの、12年前の FreeHand に出来ていた事と、CS2 〜 最新の Illustrator CC でようやく出来るようになって来た事のまとめです。(順不同)
FreeHand MX(2003) | Illustrator CS2〜CC(2005〜2015) |
複数のアートボード(Ver.4:1994年から) | CS4:2008年に搭載 |
埋め込み画像の抽出(Ver.7:1997年から) | CC:2013年に対応 |
テキストタイプの相互切替(Ver.5.5:1996年から) | CC:2013年に搭載 |
3Dパースグリッド(Ver.9:1999年から) | CS5:2010年に搭載 |
複数パスの連結(初期 Ver から ) | CS5:2010年に対応 |
白オーバープリントの無効化(Ver.7:1997年から) | CC:2013年に対応 |
画像のドラッグドロップ配置(Ver.7:1997年から) | CS2:2005年に対応 |
複数画像の読み込み配置(Ver.7:1997年から) | CC:2013年に対応 |
パスセグメントの変形(Ver.8:1998年から) | CC:2014年に搭載 |
ペンツールプレビュー(Ver.MX:2003年から) | CC:2014年に搭載 |
ライブ角R(多角形・矩形・円弧)(Ver.MX:2003年から) | CC:2014年に搭載 |
ファイルのパッケージ(Ver.8:1998年から) | CC:2013年に搭載 |
筆圧感知タブレット対応(Ver.5:1995年から) | CS2:2005年に対応 |
高度なオートトレース(Ver.7:1997年から) | CS2:2005年に搭載 |
Tiffクリップパス・アルファレイヤ対応(Ver.9:1999年から) | CS6:2012年に対応 |
パスのオフセット(Ver.MX:2003年から) | CS2:2005年に搭載 |
ブラシへの画像の適用(Ver.MX:2003年から) | CC:2013年に対応 etc. etc. |
ざっとあげただけでこんなに有ります。
さらには、テキストアンダーライン(CS2で対応)や、グレー Tiff への着色(CS2で対応)、消しゴムツール等(CS3で対応)、線パネル内での矢印設定(CS5で対応)などの細かなものや、CS2以前のものまで挙げ始めたらキリがありませんよ。
だいたい10年から15年後れで対応してきたのがお解りになるでしょう。最近になって、ようやく追いついて来た所なんですよ。FreeHand が余りにも進みすぎていたのかもしれませんね。
上記は既に FreeHand VS Illustrator で紹介してきたものですが、要するに、最新の Illustrator CC なんか使わなくても、12年前の FreeHand で充分だと言う論拠として、改めて列挙してみました。
さらに言えば、未だに移植されていない マスターページ機能や、テキストインライングラフィック、内部にペースト機能、FLASH AS2 読み書き対応、複数ページPDFの読み込み対応、埋め込み画像の外部アプリによる編集機能、円錐グラデーションや輪郭グラデーション、ヘキサクローム対応 等々… 最新の Illustrator CC にも、まだまだ対応出来ずに見送られている有用な機能の数々が満載されているんですよね。
恐らくこれらも CC の新バージョンに順次移植されて行くことになるでしょう。FreeHand MX を使っていれば、未来の CC も体験出来ちゃうって訳です。
そりゃ、興味が湧かない方が どうにかしてるってもんだと思いますよね。 (^^)v
FreeHand MX を使ってみようとお考えの皆様へ。
今からでも、是非ものにして使いこなしてください!!
Illustrator の操作性に慣れている方は、最初は相当戸惑われると思いますが、
慣れれば、FreeHand の方が、より洗練され、理に叶ったツールだと認識される事になるでしょう。
FreeHand は裏切りませんよ。良い相棒にしてください。
ご健闘をお祈りしております。
今からでも、是非ものにして使いこなしてください!!
Illustrator の操作性に慣れている方は、最初は相当戸惑われると思いますが、
慣れれば、FreeHand の方が、より洗練され、理に叶ったツールだと認識される事になるでしょう。
FreeHand は裏切りませんよ。良い相棒にしてください。
ご健闘をお祈りしております。
***
シリーズを続けています。初めてお越しの方は、総集編か、カテゴリーTOPからご覧下さい。
→総集編 では、FreeHand の真の実力をご覧頂けます。
→続・総集編 は、総集編の続編です。総集編と合わせてご覧下さい。
→FreeHand_使い方 DTP編、FLASH編など含め、全10編。
→FreeHand_INDEX はこちら
→付録編 では、ざっくばらんな情報をご覧いただけます。諸々入れて全10編。
→Tips編 1分で出来る小ネタ集など。全12編。
→FreeHand VS CS4 では、最新版の Illustrator CS4 と比較しています。
→FreeHand VS CS5 では、最新版の Illustrator CS5 と比較しています。
→FreeHand_入門編 Illustrator の作業が、FreeHand ではこんな感じ。全10編。
→FreeHand_番外編 実践的に使える裏技テクニックほか、様々な情報を提供。諸々10数編。
→すごいぞ FreeHand 編 圧倒的な生産性の高さを誇る FreeHand の底力をご覧頂けます。
→FreeHand VS Illustrator 初期〜最新バージョンまで、ガチンコ比較してみました。
→FreeHand & Illustrator FreeHand と Illustrator を組み合わせて使う方法。
→ FreeHand インストール サーバ廃止に伴い、シリアルナンバーが公開されました。
→ FreeHand MX を使ってみようとお考えの方へ 是非チャレンジしてみてください !!
→ FreeHand 関連 画像検索(一覧表示) 画像からリンクをたぐっていただけます。
***
→ FreeHand カテゴリー 一覧はこちら
この記事へのコメント
ほんとにその通り!!!
読んでいて涙がでそうになってしまいました(:_;)
こんなにすばらしいソフトが馬鹿げた企業の思惑だけで葬り去られてしまったなんて、いまだにくやしくてなりません。
すぐれたものを自分のものにしておきながら、それを十分に生かしきることさえできないなんて、いったいなんなんだ!!
…悪口ははてしなくとまらないので、このくらいにしておきます(笑)
コメントありがとうございます。
世界中で例外無く使われている Illustrator 様をコケにするような事を書くと、
世間様を敵にまわして、誰からも相手にされなくなってしまいそうですけど、
今までの経緯ぐらいは、きちんと世間様には知っといてもらいたいですからね。
これは、FreeHand を無かったものにしてしまおうとする ADOBE への
FreeHand ユーザーからのささやかな抵抗です。
(無かった事に:全てのアプリケーションリストからも削除されているんですよ。
ずっと旧い PageMaker ですらリストに残っていると言うのに。)
ズバリ予想しましょう。
Illustrator CC の次の目玉は、複数ページ PDF の読込みかな?
結構、その検索で来る人が毎日のように有りますからね。ユーザーの要望は強いでしょう。
そんな事、複数のアートボード導入時に、当然出来るようにしておくべきだったのに、
バージョンアップの目玉に取っといたんでしょうね。
皆が欲しがるまで、お預けって戦略。
もったい付けるやり方で、ユーザー手玉に取って。
もっと早くに有って然るべきのバージョンアップを餌に、CC契約を増やそうと目論む。
そういえば、CCになってから FreeHand からの機能移植が加速してるような気が...。
CS6までは、ライバル不在の中、のらりくらりのバージョンアップで、
CC以降、契約を増やすために小刻みなバージョンアップに転身。 原資は全て FreeHand から。
ADOBE のやり方って、ホント虫酸が走るわ。
Illustrator と FreeHand の基本操作体系は、昔から水と油みたいな部分がありましたから
長く Illustrator を使って来られたユーザーさんには違和感を感じる部分が多いと思います。
でも、流儀の違いが理解出来てくると、もう後戻り出来ないぐらい、
その差に愕然とされることでしょう。(^^)
是非とも、違和感と言うハードルは乗り越えて、自在ハンドの領域を御堪能下さいませ!
不明な点等あれば、ご遠慮なくご質問下さいね。
いえいえ、Illustrator CC の複数ページ PDF 一括読み込み対応の件です。
*三つ上のコメント参照ください…
2018年3月アップデート Illustrator CC Ver22.1 に、ようやく搭載だそうです。
何年掛けとんねや(**)
ちなみに、FreeHand の場合、複数ページの PDF 一括インポート機能は、
20年以上前から実現してるんですよね。