FreeHand _付録-6 <ワンソースマルチパブリッシュ>

FreeHandで行こう!】その22(付録編-6<FreeHand 授業>です。

このシリーズでは、FreeHand の優位性を紹介してきました。
FreeHand の情報を求めている方や、Illustrator ユーザーの方にも、お役に立てれば幸いです。

今回は付録編につき、初めてお越しの方は、総集編か カテゴリーTOPからご覧になられるのをお薦めします。

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私が FreeHand を使い始めた最初の頃(17年前になります)から、日本での業界シェアは Illustrator 寄りで、FreeHand は少数派でした。理由は、当時の MAC販売大手だった Canon販売と Too.が ADOBE の代理店だったため、MACとセット販売していたのに対し、FreeHand は ALDUS日本法人が単独で扱っていたため普及に差がついたものと考えられます。
デザイン事務所が Canon販売や Too.からMACを買えば、自動的に Illustrator がセットになっていた訳ですから普及しないはずが無かったとも言えますね。

たまたま導入の初期に両者を比較するチャンスに恵まれた私は、迷わず FreeHand を採択したのですが、多くのデザイン事務所は、そのような選択の余地もなく、営業に薦められるまま Illustrator街道まっしぐらということになったようです。
当時、競合のデザイン事務所が Illustrator を使っていることに対し、FreeHand 派の私は、どこの事務所も FreeHand を知らないままでいてくれよと願ったものでした。Illustratorに対して圧倒的なアドバンテージが有った FreeHand を、独り占めしておきたいと願ってのことでした。(こういう思いの FreeHand ユーザーは結構多かったようです。)

しかし、これはまずいなと思い始めたのは、ADOBE が FreeHand に対して1度目の買収をしかけ、FreeHand の将来に不安が広がった頃からでした。幸い、裁判で勝訴した FreeHand開発グループは FreeHand をADOBEから取り戻し、Macromind 社と合併して Macromedia 社を立ち上げた訳ですが、その間 開発の止まっていた FreeHand のシェア低下は免れませんでした。
特に日本では、仲間を増やさないことには、ローカライズもままならないという現実に直面したのです。(実際、Ver.4は、英語版のみ発売で、日本語版は見送られました。その間に、Illustratorは Ver.5 日本語版が発売されていました。)
その後私は、微力ながらも FreeHand セミナーや MdN誌などへの執筆で FreeHand の啓蒙活動をしてきましたが、時すでに遅しでした。(当ブログなど、2008年からですから全くの手遅れですね..)

そんな中、こともあろうに公立高校から、デザインの授業に客員講師として FreeHand を教えて貰えないかというお話をいただいたのです。(今年の話です。)
すでに、ADOBE に2度目の買収をされ、開発中止を宣告されてしまったソフトなのに、将来のある高校生に FreeHand を教えるなんてあり得ないとお断りしましたが、高校で Illustrator を教えてられる先生が、FreeHand のアドバンテージに着目され、「これは、生徒達にとって大変魅力的なソフトだ」と強く推薦していただきました。
一応、殺し文句は、「公立高校は専門学校とは違って Illustrator の訓練をするところではないんですよ。特定のアプリケーションに偏るのではなく、デザインアプリケーションの可能性のすごさを生徒に見せてあげたいから」とのことでした。いやいや、まさにこのブログで書きたいことに通じる部分だったんですね。
以前、こちらのブログにも、FreeHand は、Illustrator の未来の姿を垣間見せているという点で、Illustrator ユーザーにこそ興味を持っていただきたいと書いたことがありました。

FreeHand の使い方がどうのこうのということではなく、デザインアプリケーションの、最も進化した使い方を若い生徒に感じてもらえればという気持ちでお引き受けすることになりました。


授業のテーマは、「ワンソースマルチパブリッシュ」
当ブログでも、再三テーマにしてきましたが、実際、FreeHand ほど高い次元で「ワンソースマルチパブリッシュ」を実現しているソフトを私は他に知りません(細かい点には目をつぶるとして)。
若い生徒達には、このソフトの可能性、ひいてはデジタルでデザインすることの可能性を、汎用性の高さを実感してもらえればと考えました。

1回 2時間の授業×5週でワンクール。先般ワンクールを済ませてきました。
初めてのソフトに戸惑いながらも、全員がマルチページにリンクを張り、ズームトランジションとズーム機能を持たせた、弊社のホームページ に準じた FLASH コンテンツを作成しました。
私も教壇に立つのは初めての経験で思うように進めることは出来ませんでしたが、合計10時間で、初めて使うソフトで、これだけのものが作れるということに可能性を感じてもらえたのではないかと考えています。


Image05012.gif
■ちょっと旧い(2000年頃作成 Ver.9の時代)概念図ですが、当時から FreeHand はワンソースマルチパブリッシュを志向していました。


授業のテーマ「ワンソースマルチパブリッシュ」は、一つの FreeHand ソースから、リンクの生きた PDF、FLASH、HTMLの各コンテンツが作成できるという趣旨のものです。細かい点では、色々問題もあるのですが、それらを体験することでファイルフォーマットの違いや仕様の違いも理解できるだろうとの考えがありました。
中には、動画の貼り込み方はどうするのかと積極的に質問してくる生徒もいましたよ。
こちらのブログにも追々ノウハウを開示していきたいと考えています。

まだ FreeHand のようなマルチパブリッシュを実践できるソフトは 他にはありませんが、若い高校生達が実社会に出て活躍する頃には、相当高い精度で実践できるようになっているかもしれません。(それが FreeHand でないのが悔しいですが)
そんな「可能性」を経験できたと思ってくれていればうれしいんですけれども。


今回は、付録-6<FreeHand 授業>でした。 付録-1 -2 -3 -4 -5 はこちら

   →付録-7 FreeHand>CS4 アップしました。

   
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