お気に入りのデザインモノたち--4(Mitsuoka ZERO-1)

お気に入りのデザインモノたち、久々に再開【その4】です。  →→【その1】【その2】【その3】はこちら

永らく FreeHand 連載が続いたので、気分転換に お気に入りのデザインモノ を紹介したいと思います。
今回は、愛用のクルマ【Zero-1 Classic Type-F】を、ムービーも含めて一挙大公開!

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■Zero-1 Classic Type-F

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4輪バイクとも言われる、なかなか そそるインパネ回りのデザイン。現代を走る車として エアバッグを装備しています。


和製スーパーセブンとして知られる Mitsuoka Zero-1 の、オリジナルデザインバージョンとしてリリースされた Classic Type-F は、通産省グッドデザイン商品にも選定された、なかなか秀逸なデザインモノです。

スーパーセブンが欲しくて物色していた頃、近くにショールームがあったことも手伝って、このちょっと変わり種の和製オリジナルのスーパーセブンを買ってしまいました。もう、11年乗ってます。

車重5〜600kgと言われる海外製スーパーセブンに比べると、しっかりした作りで少し重めの700kgほどのボディに、マツダロードスター1800のエンジンを積んだ Type-F は、超過激に速い車とは言えないまでも、適度に速く(トルクウエイトレシオ:4.6kg/Nm)、適度に乗りやすく(理想的な四独A型ダブルウイッシュボーンサス & 前後重量配分50:50)、純国産車としての安心感があり(実際11年間ノートラブル)、そして「この手の車としての危うさ(諸々)」も充分楽しめる、ある意味バランスに優れたライトウエイトスポーツ車なのだと思います。

ミツオカ自動車は、ホンダが4輪車メーカーになって以降、新興自動車メーカーは認めないという国の方針を打ち破って誕生した、YAMAHA や童夢も成し得ることのできなかった、形式認定乗用車を量産することの出来る国内10番目の正式な自動車メーカーなのです。

Zero-1 は、同社にとっての記念すべき形式認定第1号車です。(だからゼロワンなのです)
中でも、Classic Type-F は、同社オリジナル設計・オリジナルデザインの形式認定車で、かつ、いきなりグッドデザインに選定されるなど、後に発表される「オロチ※下に資料写真掲載」にいたる系譜の、優れたデザインがウリです。
クラシックカーの味を強調しつつ、リアビューなどは、ロータスエリーゼの新型か? と思わせる程の新しい(10年以上経ってしまいましたが)インパクトがありますね。

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■お気に入りの、リアビュー。

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■フューエルキャップです。なかなか良い雰囲気です。

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■これは、少しデフォルメされています。(35mmカメラの21mm(セミ魚眼)レンズ使用)
フロントマスクは、ファニーフェースです。

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SIDE VIEW 着座ポイントは、リアタイヤの直前。普通の車の後ろの座席で運転してるようなもんですね。
この手の車は ドアは付けないのが一般的ですが、私の場合、最近は付けて乗ることが多くなりました。細長いウインドウ形状が気に入っています。
スーパーセブンの外装はアルミパネル製ですが、この車は、全身 FRP製。全身ヘルメットともいえる、しっかりした作りになっています。(一度 自転車に突っ込んでこられたことがありましたが無傷でした (^_^;)
フロントノーズが フェンダーより低いのが見て解ります。ボンネットの膨らみは エンジンを納めるための形状です。
この低重心化レイアウトにより、ほとんどロールの無いドライブが可能。ロールしないから、ハンドリングが良いのです。
スーパーセブンの基本設計は50年以上前のものですが、無駄を排除し、本来あるべき姿の追求を設計思想としているため、スポーツカーとしては陳腐化しないんでしょうね。


車を、移動や運搬手段の道具としてみた場合、この車に価値を見出すことは出来ませんが、この車の有りようや、デザインが発しているメッセージを理解しようとすれば、ありきたりではない価値観が見て取れるのではないでしょうか。仕事柄、そんな部分を大事にしたいと思っています。

維持費に悩まされながらも手放すことのできない、お気に入りのデザインモノです。





ちなみに、、、 この車は和製スーパーセブンと言われていますが、デザインの参考になった車は、1940年代前後のフォーミュラーカーと思われます。

↓ は、1939年型のメルセデスベンツ製フォーミュラーカー。
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↓ は、1940年代後期のカルロ・アバルト製フォーミュラーカー。ヘッドライト付き。
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更に言えば、サスペンションは基本支持点の位置関係・動作長等を人馬一体と言われた脚を持つ初代ユーノスロードスターに倣いながらA型アームに設計展開し、オリジナルのパイプフレームに組み込んだものだそうで、マツダのエンジニアにもチューニングに参加してもらって仕上げたそう。
また、型式認定を受けるために、衝突試験では3台の新車が供養されたそうです(涙)



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■フォトショでヘッドライトを消してみました。^^ フォーミュラーカー風に見えますでしょうか?(笑)







それでは、以下 ムービーです。


■大阪南港に通じる海底トンネルを通過します。

超高速域走行や、ターボをフルに利かせた加速をしないと乗った気がしないモンスターマシンと違って、通常速度域でも充分楽しめるのがライトウエイトスポーツの美点です。軽快なレスポンスと、ダイレクトなハンドリングを、車体全身から応答してくるこの手の車は、日常の道路が毎日新鮮に感じられます。
 ※高画質のフルスクリーンムービーはこちらの4-channel でご覧頂けます(FLASH です)


■ATC 立体駐車場にて。

光の具合によっては、ファニーフェースが、なかなか精悍に見えてくるのも、また一興。
この手の車は、街なかでは 立体駐車場のような所と契約しないと保管出来なくて、維持費のかかるのが難点です。


■ATC 立体駐車場にて。



■ATC 立体駐車場にて。夜間出庫の図です。

乗り込んでから、エンジンを空吹かししてみました。パソコンに外部スピーカーがついているなら、ちょっとボリュームを上げて聞いてみて下さいね。


■夜間、海底トンネル復路です。



■夕景、大阪北港夢洲にて。

後日、大阪北港にて。オリンピック候補地だった場所です。広大な人工島に交通量がほとんどないので、ドライブ走行にもってこいの場所ですね。<後日2025年の大阪万博会場に決定しました。>

※上記一連のムービーは、こちらでもご覧頂けます(高画質版:FLASH)。この手の車に興味ある方はどうぞ。


■ご参考:
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■こちらは、ミツオカ最新のオリジナルデザイン車「オロチ(大蛇)」。私の志向とは違うし、一千万円以上もする車なので、手に入れることはあり得ませんが、デザインにかけた意気込み、出来の素晴らしさは脱帽ものです。
デザインの参考に、ミツオカサイトより拝借してきました。(プロトタイプモデルのようです)

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■Zero-1_Concept ...こちらは、Zero-1 のニューモデルプロトタイプのようです。数年前の東京モーターショーで発表されましたが、規制強化された側面衝突に対する安全性が確保出来ないとのことで、認可されなかったようです。今後も発売される見通しが立たず幻のモデルになる可能性が高いですね。こちらも参考として掲載させていただきました。
プレーンなボディラインが、良いですねぇ。500kg以下、200ps以上で、オロチの半値なら欲しい!


 お気に入りのデザインモノたち【その5】カプチーノ はこちら

 Zero-1 Classic Type-F で、雨中の高速道路へドライブに出掛けました。→こちら。

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